不安で眠れないのはなぜ?不安による不眠への4つの解消法とは

眠れない原因と不眠対策(眠りの知識)

不安なことがあってなかなか寝付けない、眠っても途中で目覚めたり、早く起きてしまうなどの不眠の症状。不安は不眠の大きな原因の1つです。一時的な不安であれば、時が過ぎればすぐに解消するものですが、長引く場合には不眠症となってしまうこともあり注意が必要になります。

今回はどうして不安やストレスがあると眠れないのか、その理由を解説していきます。また、不安やストレスを抱えているときに、おすすめの対処法についてもご紹介します。

不安で眠れないのはなぜ?不眠と不安の関係とは?

不眠になるには、さまざまな原因があります。生活習慣、騒音・光などの周囲の環境、旅行や会議、試験などの普段と違った状況に追い込まれることによっても不眠は引き起こされます。

中でも、特に現代人に多いのが、ストレスや不安といった精神的な問題による不眠です。近親者との死別やなど、悲しい出来事があって一時的に不眠になったことがある方もいるのではないでしょうか。この精神的な不眠が一時的なものであれば、誰にでも起きることがありあまり問題ではありません。でも不眠が何週間も長引いているということであれば、しっかりケアをしていくことが必要です。

不安とは何か?不安が睡眠におよぼす悪影響

よく「不安」という言葉を耳にしたり使うことはあると思いますが、医療用語的に使う不安とはどんな状況なのでしょうか?病的な不安というのは、何も特別な原因がないのに不安で落ち着かない、原因がもう無くなったのに不安を引きずってしまっている、原因があったとしてもその度合いが不釣り合いなほどに強い場合をいいます。

精神医学的には、「対象のない恐れの感情」を不安といいます。不安には身体的な症状も伴い、ドキドキする、胸が締め付けられる、手足のしびれ、脱力感、そして眠れないという不眠の症状です。これらの症状が出るのは、心と体が自律神経という神経で深く結びついているから。さらに症状が強く発作的に出るようになると、パニック発作を起こすこともあります。

不安の背景には強いストレスが隠れていることも

漠然とした不安感に襲われるのには、ストレスが背景にあることが多いです。何か仕事で強いプレッシャーや人間関係に悩んでいる、子供の育児や配偶者との関係、自分の将来に関するストレスなど、人によってストレス源はさまざまです。

ストレスが強いと、ストレスは脳の伝達物質や神経バランスを乱してしまいます。結果として、強い不安やうつ病などの病態に陥っていくことも少なくありません。特に眠れないという症状は、不安やうつ病の特徴的な症状でもあるため、気づいた場合には早めに対処することが大事になります。

そこで、ストレスを無くしましょう!と言われても、そう簡単にストレスを切り離すことは難しいですね。ストレス源と距離を取れるなら離れること、ストレスを解消する方法を見つけて取り入れることを考えてみてください。

どうして夜になると不安が強くなってくるの?

日中は仕事や家事などを不安にならずにこなせているのに、夜寝る前になると決まって不安感に苛まれるという経験はありませんか?なぜか寝る前になると不安感が強くなって、余計なことが気になったりしやすいものです。

寝る前は、そもそも脳の機能が低下してくるため、大脳辺縁系にある情動を司る部分のコントロールがうまく行かなくなってきます。不安が強くなったり抑うつ的になるのはそのためです。通常寝ている間に深い睡眠を取れていれば脳が休まりストレスホルモンの分泌も低下するため、目覚めれば案外スッキリしているものです。もし朝になっても寝る前と同じ感情をひきずったまま気持ちが変わらないのであれば、それは睡眠が浅い証拠です。

精神的な理由による不眠は長引く時は注意が必要

不安やストレスが強いことによる不眠を、単に眠れないというだけで片付けてはいけません。睡眠は人間の生命維持にとって非常に大事な時間でもあり、人間は数日間ずっと眠らなかったら死に至ることもあるのです。

精神的な不眠を放置していると、うつ病などの精神疾患に移行してしまうこともあります。さらには、健康面にも影響が出てくることも。特に脳に対するダメージは大きいです。例えば6時間睡眠を14日間続けると、脳は丸々2日間徹夜したのと同じ程度までダメージを受けると言われています。人間の寿命と睡眠時間にも大きな相関関係があることがわかっています。理想的なのは7時間から8時間睡眠であり、睡眠時間が6時間未満だと死亡率が2.4倍にもなるのです。

不安による不眠はうつ病という可能性もある

不眠によってうつ病になることがあると説明しましたが、うつ病の初期症状として不眠が起きているという可能性もあります。これにはセロトニンという神経伝達物質の分泌が関係していると考えられています。うつ病になるとセロトニンの分泌が低下しますが、睡眠にも悪影響を及ぼしているというのです。

うつ病の患者さんにおいて、不眠は必ず見られる特徴的な症状です。また、不眠が続くことによってうつ病を悪化させてしまうことも。特に深く眠れていない「熟眠障害」や3時4時くらいの早朝に起きてしまってその後寝ることがもう出来ない「早朝覚醒」といった不眠に陥ることが多いようです。万が一うつ病だった場合には、睡眠薬だけの治療では不十分であり、うつに対する治療が必要となってきます。もしかして鬱?と思ったら、まずは精神科や心療内科に相談してみると良いでしょう。

不安やストレスがある時におすすめの4つの対処法とは?

不安やストレスにより眠れないときには、精神的なリラックスと肉体的な疲労が眠りへのポイントとなってきます。このような自分でできるセルフケアでも、ある程度は睡眠の質をよくすることが可能です。

不安の原因となっているストレスへのケアは欠かせません。ストレスがなんなのか、振り返ってみましょう。そのストレスを取り除けるのか、距離をおけるのか、どんな対処が可能か考えてみてください。ストレスを減らすことができれば、不安感も次第に和らいできます。

眠れない時には、最初から睡眠薬のお世話になるのではなく、まずは自分でできるケアを試してみてはいかがでしょうか?もちろん薬を使うことも有効な対処法です。あまり薬を我慢しすぎて、眠れずに身体を壊してしまっては元も子もありません。もし自分ではどうしようもできない場合には、お医者さんに相談してみることをおすすめします。

不安なことを吐き出してから眠るようにする

不安なことが寝る前になってどんどんと頭に湧いてきて、いっぱいになってしまう。そんな状態を和らげるには、寝る前までに不安なことを吐き出しておきましょう。

不安なことが家庭内のことならば、しっかりと話し合ったり、自分の思いを伝えたりして、自分の中だけで溜め込まないことです。自分だけで抱え込んでいるだけで、案外話してみるとたいした問題ではなかったということもありますよ。

もし話せるようなことではない、話しにくいということならば、自分だけのノートや日記帳、ブログなどに、思っていることを全部書き出してみましょう。気になっていること、不安なこと、嫌だったこと、書いてみると心理的にスッキリするものです。自分から外に吐き出すことで、周りに聞いてもらえた、理解して貰えたと安心できることに意味があります。

ハーブティーやアロマテラピーを使ってリラックス

不安感を取り除くためには自分の頑張りだけではどうにも難しい部分も多いでしょう。そこで役に立つのが、ハーブティーやアロマテラピーなどのリラックス系のアイテムです。もし夕方以降にお茶やコーヒーを飲んでいるという方は、ぜひノンカフェインのハーブティーに変えてみてください。カフェインが睡眠の妨げになっていることも多いのです。特におすすめなのが、カモミールティーです。リラックス作用があり安眠をもたらしてくれます。

アロマテラピーは香りを楽しんで気持ちをリラックスするために医療現場でも使われていることがあります。香りの元の成分は鼻からダイレクトに脳まで届くため、痛みの感覚よりも早く脳が感じることができるといわれています。寝る前におすすめの香りは、ラベンダーです。自分が良い香りと思うものを選ぶことが大事なので、試してから買ってみると良いですよ。

ヒーリングミュージックをかけながら寝る

寝る時に周りの音が気になったり、静かすぎて余計なことが頭に浮かんできてしまうという方にはヒーリングミュージックがおすすめです。寝つきが悪い場合にも、リラックス効果の高い音楽を聞くだけで寝つきやすくなります。

大事なのは、どんな音楽を選ぶかということ。いくら好きだからといってお気に入りの歌手などのものは不適当です。できればα波やθ(シータ)波を出してくれるような曲調のものを選ぶと、脳波が落ち着いて眠りにつきやすくなりますよ。CDやダウンロードした音楽、またはYoutubeなどにもたくさんの種類があるので、自分が気持ちいいと思える音楽を見つけて使ってみてください。

ただし、いくら寝つきをよくしてくれる音楽も朝までずっとかけ続けていると妨げとなったり、朝起きた時の不快感にもつながります。1、2時間で終わるように設定しておきましょう。

ストレッチや適度な運動を取り入れて肉体を疲労させる

日中の運動や寝る前のストレッチは睡眠を良質なものにしてくれます。いくら眠れないからといって日中だらだらと家で運動もせずに過ごしていると、身体が疲労していないため眠りにつきにくくなってしまいます。日中に30分程度の有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。

家に帰ってきてお風呂に入ってご飯を食べて、寝るだけ!という生活を送っていませんか?ぜひ寝る前にストレッチを取り入れて、副交感神経の働きを高めてあげましょう。寝る前に行いたいのは、「静的ストレッチ」というクールダウンを目的としたゆったりめのストレッチです。「疲れてて無理!」という方も、横になった状態でできるストレッチやヨガでも十分に効果がありますよ。

不眠をケアするには不安への対処が欠かせない

不安による不眠は、そもそもの不安への対処が根本的な解決となります。睡眠をなんとかしなければと必死になる前に、不安を減らす、不安を無くすことを考えましょう。もちろん不安にとらわれすぎず気持ちを切り替えたり、泣いたり笑ったりして感情を表に出すことも大事です。お笑い番組を見たり、映画を見たり、買い物をしたり、何か自分が好きなことを重出してそれに没頭してみるのも良いでしょう。

または旅行や引っ越し、転職などして、一気に環境を変えてみるというのも手です。何も今の環境の囚われている必要はなく、自分の環境を丸ごと変えて見ても良いのです。

ただし、病的な不安である場合には、病院で医師によるカウンセリングを受けたり、抗不安薬を処方してもらうということも必要かもしれません。自分だけで思い悩むのではなく、周りに相談したり、専門家の力を借りていくようにしましょう。

まとめ

不安と睡眠は密接に関係していて、どちらも改善しないとますます負のスパイラルに陥ってしまいます。そして一番いけないのは、不眠に対して不安になってしまうことです。眠れないということに拘りすぎるあまり、ますます不安になって眠れないという事も大きな不眠の原因になります。眠れなかったら次の日は眠れる、という気持ちであまり考えすぎないことも大事です。

 

また、リラックスして眠ることができるように、生活を見直したり、寝る時に効果的なアイテムやストレッチを取り入れていきましょう。人間にとって睡眠は身体を休めたり、脳の中を整理するための非常に大事な時間です。もし辛い場合にはお医者さんに相談してみましょう。