寝ても疲れが取れない状態が3週間以上続く。熟眠障害の原因と対処法

眠りが浅い原因と対策(眠りの質)

必要な時間の睡眠はとっているはずなのに、何故か目が覚めたときに疲れが取れていない感じがする…という人は、熟眠障害を抱えている可能性があります。

熟眠障害とは、いくら寝ても疲れが取れない状態が続く睡眠障害のことです。睡眠の質が低下している可能性があるため、取った睡眠時間とは裏腹に疲労が取れず、日中に酷い疲労感や倦怠感を抱えてしまうのです。

熟眠障害の原因や予防・解消方法について見ていきましょう。

熟眠障害って何?寝ても疲れが取れなくなるメカニズムをチェック

熟眠障害とは、不眠を患う睡眠障害のうちの1つです。睡眠障害の中には「上手く寝付けない」、「夜中に目が覚める」といった症状がありますが、熟眠障害は「睡眠に満足感が得られない」というものです。

熟眠障害の人は、睡眠の質が下がっていることがほとんどです。十分な時間の睡眠はとっているはずなのに、睡眠の質が下がっているせいで本来取れるはずの疲労が取れません。そのため日中も疲労を引きずり、眠気に襲われたり心身が不健康になってしまうおそれがあるのです。

また、熟眠障害の中には単に睡眠の質が下がっている人と、睡眠に満足感を得られない人の2パターンがあります。後者は睡眠の質にも問題はないのに、睡眠に満足できない…というまれなパターンです。

熟眠障害の症状をチェック。心当たりのある特徴はない?

熟眠障害の人たちには、いくつかの共通する特徴や症状が見られます。ただ「満足に眠れない」とは言っても、目覚めが悪いのか、日中に支障を来しているのかは人それぞれです。

もしかしたら気づいていないだけで、あなたも熟眠障害を抱えているのかもしれません。熟眠障害によく見られる症状についてチェックしていきましょう。

早く寝ても朝起きるのがつらく、身体が怠いと感じる

休日でも平日でも関係なく、朝起きるのをつらく感じてしまうことはありませんか?目が覚めてしばらくは身体が怠くて上手く起き上がれなかったり、アラームをかけないと二度寝してしまう…など。

こうした目覚めの悪さは、熟眠障害によく見られがちな症状の一つです。「良く眠った」という気分になれないため、目覚めはいつでも悪く、起床後はスッキリと起き上がれません。

睡眠時間の長さとは関係なく、早く眠った日も遅く眠った日もこのような症状が見られるのなら要注意です。長時間眠ったのにもかかわらず目覚めがすっきりしない場合は、睡眠の質が著しく低下していることが考えられます。

また、起床後に頭痛を感じる人も熟眠障害の可能性が考えられます。起きるのをつらく感じるとき、頭痛はないかについてもチェックしてみてくださいね。

日中も常に睡眠不足を感じていて、活発に動けない

しっかり眠ったはずなのに、何故か日中に激しい眠気に襲われてしまう…症状はありませんか?

  • 生あくびが出ることが多い
  • 居眠りをしそうになる
  • 集中力が続かない
  • 昼食後など、激しい眠気を感じる

…といったように、日中にも支障が出ているのなら要注意です。熟眠障害は、本来なら睡眠で取り去っていられるはずの疲労が取れません。そのため日中にも疲労を引きずり、眠気や倦怠感が出やすくなっているのです。

また、肩こりや腰痛、頭痛などを日中に感じる人も熟眠障害のおそれがあります。質の高い睡眠を満足に取れないでいると、身体の疲れが蓄積されていくばかりです。

熟眠障害になると日中のパフォーマンスが下がり、仕事の効率が悪くなったり簡単なミスを連発してしまいやすくなります。

休日に寝溜めをしているが、一向に疲れが取れない

熟眠障害の人は、「睡眠時間が足りていないのでは?」と感じて休日にたくさん眠ろうとする傾向があります。一般に「寝溜め」と呼ばれるものですね。

休日に足りない分の睡眠を補おうと寝溜めをしても、熟眠障害の人は全然疲れが取れません。そもそも睡眠の質自体が低下しているため、いくら眠っても疲労が取れないのです。「休日はたくさん眠っているのに疲労が取れない」と感じているのなら熟眠障害の可能性が高いと考えられます。

また、休日は寝起きが悪く、一度目を覚ましても二度寝、三度寝…と何度でも眠たくなる人も、熟眠障害の可能性があります。起床時間になってもすっきり目が覚めないということは、睡眠の質が低下していることが考えられます。

熟眠障害を起こしてしまう原因。ストレスが溜まってない?

仕事やプライベートで忙しくしがちな現代人には、熟眠障害の傾向を抱えている人がたくさんいます。対人関係の多くなった現代だからこそ、ストレスを溜めこむことも大きな原因ですね。

熟眠障害には、次のような原因が考えられます。原因を把握することが予防・解消のヒントになりますから、思い当たる原因はないか、日頃の自分をよく振り返ってみましょう。

過度なストレスで眠りが浅くなり、上手く眠れていない

いつも何かしらのストレスを抱えていたり、不安に思うことがあったり…そんな人は熟眠障害に陥りやすいです。

ストレスと言っても、その内容は様々です。

  • 対人関係のストレス
  • 環境の変化によるストレス
  • 漠然とした不安によるストレス
  • 季節の変化など、体感的なストレス

人は自覚しないうちにも、たくさんのストレスを抱えがちです。また、中には神経質な性格の人やネガティブな性格の人など…もとからストレスを感じやすい人もいます。

人間はストレスを感じると、自律神経のバランスを乱してしまいます。ストレスは自律神経のうち「交感神経」を優位にさせてしまうため、神経が興奮状態になり、なかなかリラックスした状態で眠れなくなってしまいます。

質の高い睡眠は、心も身体もリラックスしていることが大切。もしストレスで神経が興奮したままだと、眠りが浅くなってしまい、どれだけ眠っても疲労が上手く取れないのです。

睡眠時無呼吸障害。いびきや口呼吸の自覚がある人は注意

「睡眠時無呼吸障害」という症状、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?睡眠時無呼吸障害とは、睡眠中に何度か呼吸が止まったり、上手く息ができなくなってしまう症状を言います。

睡眠中に無呼吸状態になると、脳や身体に十分な量の酸素が行き届きません。そのため身体を休息させる効率が悪くなり、眠りで疲労が取れない状態に陥るのです。

  • いびきをかく
  • 口呼吸になる

といった症状が、睡眠時無呼吸障害の有名な特徴ですね。

また、口呼吸になると、鼻呼吸よりも身体に上手く酸素が入ってこなくなります。これも睡眠の質を下げてしまう大きな要因の一つです。口呼吸で眠ると口から雑菌が入って体調を崩しやすくなったり、口腔疾患を招くリスクも高まるため要注意ですね。

加齢による睡眠のバランスの乱れ。体内時計が崩れている

人の身体には、「夜になると眠たくなり、朝になると目が覚める」といった体内時計が備わっています。適切な時間になると睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、自然と眠たくなる…といったサイクルが体内時計ですね。

ところが、年齢を重ねるにつれて体内時計は少しずつ崩れはじめてしまいます。よく耳にするのが、「日の出と共に目覚めて日没と共に眠る」といったものですね。

加齢により活動量が減ると、癒すべき疲労の量が減るため睡眠時間が減っていきます。また、若い頃と比べて日光を浴びる時間が減ると、メラトニンを分泌する量も減ってしまいます。

これにより体内時計が乱れ、高齢者は睡眠の質が低下しやすくなってしまうのです。思うように眠れなくなり、日中に眠気を感じたり、夜中や早朝に目が覚めたりといった症状があらわれます。

生理や更年期障害など…ホルモンバランスが乱れている

ホルモンバランスが乱れやすいのは、圧倒的に女性の方です。女性は毎月の生理があったり妊娠や出産を経験したりすることで、ホルモンバランスがいつも激しく変動しています。

女性はホルモンバランスが乱れることで、次のような不調を感じます。

  • ストレスに敏感になってしまう
  • 身体が水分を溜め込み、むくみや便秘になる
  • 体温が上昇する
  • 倦怠感や頭痛を抱える

こうした不調は、どれも睡眠の質を低下させる要因です。ストレスに対して敏感になると、いつもよりも自律神経が乱れてしまいます。

また、体温が高いままだと上手く寝付けず、眠れたとしても眠りは浅いままです。そのため生理前や生理中、閉経後、妊娠中などの女性は、熟眠障害に悩まされることが多いのです。女性で熟眠障害に悩んでいる人は、女性ホルモンのバランスが崩れるような期間は特に睡眠の質に注意しておきたいですね。

熟眠障害を予防・解消していく方法。眠りで疲れを取るには?

熟眠障害は、薬やサプリメントを使って体調を整えたり、生活習慣を見直したりすることで解消することができます。また、熟眠障害の原因が分かっているのであれば、それを解消することでも睡眠の質を上げることができますよ。

睡眠の質が向上すれば、寝起きの悪さや倦怠感を快方に導けます。いつも疲れていることがなくなるため、パフォーマンスも上がりますね。熟眠障害を予防・解消する方法について見ていきましょう。

睡眠薬や漢方薬、サプリメントで睡眠をコントロールする

不眠や早朝覚醒など…あらゆる睡眠障害の解消法として、薬物療法が用いられています。もちろんただ睡眠薬を飲めば良いというわけではありません。その人の睡眠障害に合った薬物が必要です。

熟眠障害の解消には、「グリシン」というアミノ酸がよく利用されています。グリシンは身体の深部体温を下げる働きがあり、これが睡眠時に体温が下がるのと似た働きをするため、スムーズで深い眠りにつく効果が期待できるのです。グリシンはサプリメントを通してよく摂取されています。

また、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)といった漢方薬を使って熟眠障害を解消する方法もあります。漢方薬は自律神経を整えたり身体の疲れを緩和したりすることで、熟眠障害の原因を解消するために働きかけます。

他にも、医師の判断によってはストレスを緩和するために精神安定剤や、深い睡眠を促す睡眠薬が処方されることもあります。どんな薬があなたの熟眠障害を解消するのか、一度医師とよく相談してみましょう。

眠る前の行動に注意。カフェインや飲酒、仮眠を控える

眠る前にカフェインやアルコールを摂取している…ということはありませんか?眠る前のコーヒーやお酒は、睡眠の質を低下させてしまいます。

コーヒーに含まれているカフェインには、摂取後30分前後に意識を覚醒させる作用があります。アルコールを摂取すると、アルコールの分解のために内臓器官が活発に働きだします。つまりカフェインやアルコールを摂ってから寝ると、意識が覚醒しやすくなったり内臓が休まらないため、睡眠が浅くなってしまうのです。

また、眠る前の仮眠も睡眠を浅くします。本来起きている時間に中途半端な睡眠を取ることで、寝るべき時間にベッドに入っても上手く寝付けなくなってしまうのです。カフェインやアルコールの摂取、それから仮眠は眠る3時間前までに済ませておきましょう。

就寝環境に注目。照明や寝具、寝間着で睡眠の質を上げよう

今の就寝環境は、睡眠を取るのに適していますか?もし適切でない就寝環境で眠っていると、睡眠で上手く疲れが取れないことがあります。

寝間着は装飾やポケット、金具の少ないものを選びましょう。ムダに装飾が多いと、寝返りを打ちにくくなったり寝る体勢によっては身体に装飾が食い込んでしまいます。ジャージやスウェットよりも、シンプルなパジャマがおすすめですね。

マットレスや枕はあまり柔らかすぎない方が良いです。柔らかい素材の上で眠ると寝返りを打ちにくくなるため、血流が悪くなり、睡眠中の疲労が取れなくなってしまうのです。

また、寝る前はあまり強い光を浴びないようにしましょう。寝室は間接照明を使うのがおすすめです。寝る前に強い光を浴びると意識が覚醒してしまうため、睡眠の質が下がります。寝間着、寝具、照明…と、今の就寝環境をチェックしてみてくださいね。

まとめ

熟眠障害を抱えていると、日中も疲労や倦怠感に悩まされて思うように活動できなくなってしまいます。また、眠っても疲れが取れないことにストレスを抱えて、ネガティブ思考に陥ったり、不眠や早朝覚醒など他の睡眠障害を併発してしまうことだってあります。

疲労は本来、睡眠で取り去るものです。そうして前日の疲労を翌日に持ち越さないようにしているわけですから、この機能が弱るとあらゆるトラブルを招いてしまいます。

熟眠障害の原因や治療法は人それぞれですから、自力では解消できないと感じたら、無理をせずに専門家に相談に行きましょう。必要によってはメンタルケアのためのカウンセリングなど…あらゆる治療法を提案してもらえますよ。

必要なのは焦らないこと。自分のペースで、自分に合った治療法で熟眠障害を解消していきましょう。