睡眠障害の症状は1つじゃない。行くべき病院とやるべき治療法を確認

眠れない原因と不眠対策(眠りの知識)

眠れない夜が続くことや、寝つきが悪いこと、寝ても寝ても疲れが取れないこと…こんな症状に悩んでいる人は、もしかしたら睡眠障害を抱えているのかもしれません。

単に「睡眠障害」と言っても、その症状や原因、治し方は人それぞれで違います。この記事では、睡眠障害の症状や検査の仕方、治療方法について見ていきます。

もしも睡眠に何か悩みを抱えているなら、当てはまる治すべき症状がないかチェックしてみてくださいね。

睡眠障害も多種多様。あなたの抱える睡眠の問題はどれ?

睡眠障害にはいろんな種類があります。寝つきが悪くなるものや、寝付いてもすぐに目が覚めるものなど…。一概に「睡眠薬を飲む」では解決しないことがたくさんあります。

今の睡眠状況について何か改善したいことがあるなら、まずは自分がどんな睡眠障害を抱えているのかを知る必要があります。まずは睡眠障害のいろんな症状についてを見ていきましょう。

よく眠れない、寝つきが悪くなるなどの不眠症状

睡眠障害の中で最も患う人が多いのが、寝つきが悪くなるなどの不眠症状です。

  • ベッドに横になってもなかなか寝付けない
  • いつも寝付くまでに30分以上の時間を要する
  • 寝付けないため睡眠不足に陥り、日常生活にトラブルが起きている

といった症状を抱えているのが、このタイプの睡眠障害ですね。

不眠の症状は、身体が「睡眠を取る」という機能を果たせないくらいの問題を抱えていたり、神経が興奮するような精神的な問題を抱えていることがほとんどです。また、何か持病を持っている場合は、服用している薬剤の副作用で眠れなくなってしまうこともあります。

寝付きが悪いと、次第に就寝自体にストレスを感じるようになってしまいます。「今夜も眠れないんだろうな」と思いながらベッドに入ると、眠れないことに対するストレスで神経が落ち着けず、余計に不眠を悪化させてしまいます。

不眠は更なる不眠を呼ぶばかりですから、なるべく早めの対処が必要ですね。

いびきや息苦しさなど。睡眠時の呼吸に関する症状

睡眠中、呼吸に異常を来してしまう症状のことを「睡眠呼吸障害」と言います。

  • 大きないびきをかいて寝ている
  • 寝ているときに息苦しく呼吸をしている
  • 起床時、頭痛や倦怠感を抱えている
  • 日中に眠気を感じている

などの症状がある人は、睡眠呼吸障害の可能性があります。

中でも有名なのが、「睡眠時無呼吸症候群」ですね。これは眠っている最中に何回も呼吸が止まってしまう症状で、1時間に5回以上の無呼吸・低呼吸を繰り返しているのが特徴です。

睡眠中に呼吸が止まってしまうと、上気道が閉塞するため大きないびきをかいてしまいます。また睡眠中に満足に呼吸ができないことで、睡眠の質が低下してしまい、身体や脳の疲労が取れなくなってしまうことも。

その結果、日中にも疲労を感じたり、起床をつらく感じてしまうことがあります。

寝ても疲れが取れない、夜中に目が覚める睡眠の質の症状

「睡眠の質」という言葉、よく目にしますよね。同じ時間の睡眠を取ったとしても、質の良い睡眠と悪い睡眠とでは、身体と脳の休息効率が全然違います。

睡眠の質が低下してしまうと、次のような睡眠障害の症状を抱えることになります。

  • 何時間寝ても疲れが取れている気がしない
  • 寝付いても夜中に目が覚めてしまう
  • まだ起きる時間ではないのに早朝に起きてしまう
  • 一度目が覚めるとしばらく眠れない

1晩に2回以上も目が覚めてしまう人は要注意ですね。

人は睡眠中、比較的浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を交互に繰り返しています。ところが睡眠の質が悪いと、眠りの浅いレム睡眠ばかりが睡眠時間の多くを占めることになります。

その結果、些細な刺激で目が覚めてしまったり、眠りが浅いせいで上手く疲労が取れなかったりと言った事態を招いてしまうのです。

寝起きが悪く、日中に居眠りしてしまう過眠の症状

夜はちゃんと睡眠を取っているはずなのに、何故か日中にも強い眠気に襲われる…という人は、もしかしたら過眠症を抱えているのかもしれません。

  • 毎日決まった時間の睡眠を取っていても、日中に眠気を感じる
  • 日中に酷い眠気に襲われ、身体に力が入らなくなってしまう
  • 10時間以上と、夜にも長時間の睡眠を取っている

などの症状に心当たりがある人は、仮眠を疑ってみましょう。

過眠症で特に有名なのが「ナルコレプシー」と呼ばれる症状ですね。ナルコレプシーは日中に耐えられないような眠気に襲われ、頻繁に居眠りをしたり、突然身体から力が抜けたりといった症状が起きます。

過眠症を起こすのは、脳内で覚醒状態を維持する機能に異常が見られたり、夜間の睡眠障害で眠りが足りないことが理由と考えられています。

その他、睡眠障害と一緒に抱えている症状

睡眠障害とは別に、身体に何か問題を抱えているせいで睡眠に不調を起こしている可能性も考えられます。

  • うつ病など、精神的な問題で眠れなくなっている
  • 胃腸などの内臓器官に不調があるため、睡眠の質が下がっている
  • じっとしていると足がむずむずして眠れない(むすむず症候群)

など、何か他の要因があるせいで睡眠障害を引き起こしている可能性があります。

夜になると不安で眠れなくなる、ストレスで気持ちが落ち着かないといった精神的な疾患が問題で不眠が起きているなら、まずは心療内科でカウンセリングが必要です。

また、内臓の不調なら内科へ、むずむず症候群は心療内科や神経内科、睡眠専門医に見て貰う必要があります。

睡眠の問題は、心にも身体にも原因が隠されている可能性があります。必ずしも睡眠薬で解決する問題ではないため、不眠の理由として思い当たることがあるのなら、早めに病院で原因を見つけてもらいましょう。

睡眠障害かどうかをチェック。どんな検査をするの?

睡眠障害を疑っているのなら、まずは病院で検査をしてもらうことが大切です。どんな症状のどんな睡眠障害なのか、また解決すべき理由について、詳しく知っておく必要があります。

病院ではどんな方法で睡眠障害を検査するのか、具体的な検査方法について見ていきましょう。あらかじめ検査への準備をしておけば、病院での検査もスムーズに運びますよ。

質問やチェック形式で診断する方法

心療内科や睡眠専門医のもとへ行ったときは、まずは質問形式で睡眠障害について検査されることが大半です。

  • 寝つきは良い方か悪い方か
  • 床についてからどのくらい眠れないのか
  • 睡眠時間はいつも何時間くらいか
  • 寝起きは良いか
  • 日中の集中力や注意力が欠けることはないか
  • 気分が落ち込んでうつ気味ではないか
  • ストレスを感じていないか
  • 日中に眠気を感じることはあるか
  • 起床後、疲労が取れている気はするか

…などなど。睡眠障害に関係する様々な症状の有無について質問され、他に睡眠に関係する不安や困りごとがないかをチェックされます。

病院で検査してもらうなら、あらかじめ自分が今どんな風に睡眠を取っているのかについて振り返っておくと良いですね。

睡眠日誌で日頃の睡眠・リズムを把握する方法

自分で自分の睡眠についてを把握するために、「睡眠日誌」を利用する方法もあります。睡眠日誌には、

  • 就寝時刻と起床時刻
  • 寝つきの良さor悪さ
  • 起床時の気分の良さor悪さ
  • 途中で目が覚めた回数
  • 昼寝や仮眠の回数と時間

などを記録していきます。普通のノートに箇条書きで毎日記録しても良いですし、テンプレート素材を印刷して書き込んで行く形でもOKです。

睡眠日誌があると、睡眠障害についての検査もスムーズに進みます。また、睡眠日誌は不眠を解消していく過程でも役に立つ資料です。

睡眠について何か気になることがある人は、自分なりに睡眠日誌をつけることから始めてみましょう。客観的に自分の睡眠と向き合うことで、眠りに対する漠然とした不安も消えていきますよ。

睡眠障害で病院に行くと、どんな治療が待っている?

実際に睡眠障害を抱えている人は、病院でどんな睡眠に対する治療を受けるのでしょうか?治療内容が分からないことが不安で、不眠を抱えているのに病院に行けない…という人も中にはいるかと思います。

睡眠障害の治療方法は病院や患者さんによってそれぞれですが、中でもポピュラーな治療方法をいくつかご紹介していきます。

認知行動療法で睡眠障害の原因を直接解消していく

認知行動療法(CBT)とは、生活習慣や体質などを改善して、睡眠に関する問題を解決していく治療方法です。臨床心理士さんや看護師さんなどと密接な相談を繰り返しながら、少しずつ不眠の解消に働きかけていきます。

例えば夜更かしが原因で体内時計の狂っている人であれば、食事や入浴の時間を早め、早寝できるように目標を決めて行動していきます。食生活が狂っている人なら、食事の内容を改めて体調を整えていきます。

こうした日常生活の改善は、睡眠障害の原因を解消していきます。治療が終わった後も、改善した生活習慣がクセになっているため、また睡眠障害を繰り返すような心配も少ないですね。

睡眠薬に頼りたくない、原因そのものを解消したいという人におすすめの治療方法です。

睡眠薬や精神安定剤を使った薬物療法で快眠を促す

不眠症の治療として最もオーソドックスなのが、薬物療法です。睡眠薬の処方をイメージする人も多いでしょうが、実際に処方される薬は、本人の抱える症状によって異なります。

例えば睡眠薬と言っても、作用の大きなものや小さなもの、薬が効く時間の長さなどに考慮して患者さんにぴったりの薬を処方しなくてはなりません。

また、精神的な問題で眠れないという人には、睡眠薬よりも精神安定剤を中心とした薬物療法を行うこともあります。この場合は睡眠専門医よりも心療内科での治療が望ましいですね。

薬物療法は睡眠障害に直接働きかけるため、効果も大きく期待できます。ただし依存性や副作用などのリスクも考えられますから、医師と綿密な相談をしながら、自分に合った薬を処方してもらうことが大切です。

カウンセリングで睡眠に関わる精神的な問題を解決していく

多大なストレスを抱えていたり、漠然とした不安に悩まされていることが原因で睡眠に支障を来している場合は、薬を使わずに心理療法でアプローチする場合もあります。

睡眠障害を解消する心理療法でよく用いられているのが、前述の睡眠日誌です。睡眠日誌はただ本人の睡眠状況について調べるだけでなく、睡眠障害の症状を和らげる効果も持っているのです。

睡眠日誌で客観的に睡眠状態を把握すれば、よく眠れた日とそうでない日の違いが明確に分かります。それをヒントにして不眠を解決に導くことができるというわけです。

また、うつ症状を抱えている人には、カウンセリングでストレスや不安への対処をしていくこともあります。もとからストレスを溜めやすい人や神経質な人であれば、心療内科で心理療法を受けることがおすすめですね。

どんな病院へ行くべき?睡眠障害でかかるべき病院をチェック

睡眠障害を解消したくても、どんな病院に行けば良いか悩みますよね。もしも抱えている睡眠障害の症状や原因がイマイチ分からないときは、まずは心療内科に行ってみるのがおすすめです。

心療内科はどんなことでも相談して良いですし、現代人に多いストレスによる不眠もこちらで解決してくれます。もしも精神的なこと以外で睡眠障害を抱えている場合は、心療内科医の先生が他の病院に紹介状を書いてくれます。

また、睡眠障害の専門医療機関を訊ねるのもおすすめです。日本睡眠学会で睡眠医療認定医になっている先生を訊ねるのが安心ですね。睡眠のスペシャリストですから、的確に睡眠の問題を解決してくれますよ。睡眠障害の原因によっては、歯ぎしりを治すために歯科医に行ったり、いびきの相談で耳鼻咽喉科に行ったりすることもあります。

まとめ

一言「睡眠障害」と言っても、本人の抱えている悩みや置かれている現状によっては、症状も原因も異なるのです。ですから、「眠れないな。ストレスかな?」と自己判断を下すのはおすすめできません。

睡眠障害の中には、専門医に診て貰わないと気づけないような深刻な症状・原因が隠れていることもあります。例えばうつ病の兆しがある人は、放っておくと症状が悪化して睡眠障害の他にもトラブルを招くことだってあるのです。

良い睡眠は心にも身体にも影響を与える重要な存在です。何か睡眠に悩みを抱えている人は、ぜひ病院で診て貰ってから、原因の解明と症状の解消に向けた治療に向き合っていきましょう。

専門家と一緒に治療していけば、自分一人ではどうにもできなかったことも、着実に解消していくことができますよ。