高齢者は睡眠の質が低い?気を付けたい寝方と不眠対策3選

眠れない原因と不眠対策(眠りの知識)

「年齢を重ねて、睡眠時間が短くなった」「寝つきが悪くなった」「眠りが浅く、ぐっすりと熟睡できない」そんなお悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

高齢のご家族やご両親の睡眠不足を心配している人も多いかもしれませんね。高齢になるといろいろな病気が起きやすくなりますが、実は不眠も起きやすいトラブルの一つ。なぜ不眠が起きやすくなるのか、どう対策をとればいいのか、状況が悪化する前にしっかりと把握しておきましょう。

高齢者の睡眠の質が低下してしまう原因とは?

「年配の人は早寝早起き」というイメージがありませんか?これはその人の生活リズムに関係なく、年齢を重ねた人には自然と起きてしまう現象なのです。

体力が落ちたり、食事の量が減ったり…といった現象と同じで、高齢者は睡眠の質も低下しやすくなります。年齢を重ねることと睡眠にはどのような関係があるのか、なぜ睡眠の質が低下するのか?もう少し具体的にご説明していきます。

年齢を重ねるにつれて体のリズムも変化する

「眠る」ということについて深く考える人はあまりいないと思います。自然と眠くなってきて睡眠に入り、目を覚ますと朝、という流れが何も考えなくとも毎日当たり前のようにおこなわれていますよね。

ただ、この眠るという習慣、実はたくさんの要因が複雑に影響しあっておこなわれているんです。昼間の活動量、代謝量、体温、ホルモンバランスなど、これらが睡眠に深くかかわっています。高齢になるとこれらの状態が変わり、早寝早起きという前倒しの睡眠リズムが自然と出来上がっていきます。

ノンレム睡眠が減り深い眠りにつきにくくなる

「ぐっすり眠れなくなった」というトラブルも高齢者には起きがちです。例えば、尿意や少しの物音で起きる、体の痛みで起きる…といった眠りの浅さが目立ってきます。これは年齢を重ねるにつれて“ノンレム睡眠”の時間が短くなってしまうことが原因です。

ノンレム睡眠とは、深い眠りのこと。浅い眠りであるレム睡眠とノンレム睡眠、この2つが一定のリズムで交互におこなわれているのが正常な睡眠ですが、高齢者の場合はノンレム睡眠が減ってしまう傾向にあるため、レム睡眠が優位になり眠りが浅くなりやすくなるのです。

運動量や生活のメリハリが減って睡眠のリズムが変わる

年齢を重ねると体力も落ち、動き回ることが少なくなりますよね。病気や足腰の痛みを伴っている人はなおさら、自宅で安静にすることが多くなってきます。また若い頃のようにどこかに出かけたり誰かと話したり、といったことも少なくなります。こういった生活の質やメリハリの低下が、入眠のしづらさに繋がります。

反対に、早く眠りにつきやすくなるケースも考えられます。どちらにしても睡眠のリズムが崩れてしまう原因になってしまいます。

高齢者に起きやすい?心理的ストレスからなる睡眠障害

上記でご紹介した3つの原因は多くの高齢者に起きやすい睡眠傾向であり、病気ではありません。ただ、中には昼間の倦怠感や意欲の低下などをともなう“睡眠障害”を患っている人もいます。心のストレスが睡眠を妨げ、入眠障害や中途覚醒が起きてしまっているケースです。

病気や環境の変化に対応しきれない高齢者には多いとされています。例えば、高齢者に多い“認知症”も睡眠障害につながる病気の一つ。周りや環境の変化についていけない、物忘れなどの不安感から、うまく睡眠がとれなくなってしまいます。

また、睡眠中に呼吸が苦しくなる(あるいは止まってしまう)“睡眠時無呼吸症候群”、睡眠時に足などが痛痒くなる“レストレスレッグス症候群”など、特別な病気で睡眠障害が起きている場合も考えられます。

高齢の人に起きやすい不眠や中途覚醒、どうすればいい?

年齢を重ねると起きやすい睡眠のトラブル。体のリズムが変わることで起こる現象や、病気・心のストレスからくる睡眠障害と様々ですが、どうすれば質のいい睡眠を促すことができるのでしょう?

ここからは高齢者への睡眠対策をいくつかご紹介していきます。自分に合った対策、または睡眠に悩む人に合った対策を取り入れて、安心して眠りにつける環境を整えていきましょう。

午前中に軽い運動をして体のリズムを整える

眠りにつきやすくするには、昼間寝床に長く居過ぎないことが大切です。できる範囲の運動を取り入れて体を動かし、生活にメリハリをつけましょう。外出が難しい場合は家の中でできる体操や家事をするなどでもOK。

また朝に太陽の光を浴びると体のリズムがリセットされ、夜に質のいい睡眠がとりやすくなります。散歩などができる場合は午前中にするのがおすすめです。寝る前の運動は避けましょう。脳が覚醒して眠りにつきにくくなってしまいます。

睡眠を妨げている痛みやストレスの対処をする

眠れない原因はどこにあるのかをはっきりさせることは大切です。例えば原因が足や腰の痛みならばそこをきちんと治療することで睡眠の質も上がります。負担の少ない寝具に変えてみるのもいいですね。

心理的なストレスからくる不眠ならば、悩みを誰かに相談する、できないことは頼る、眠りにつきやすい灯りに調整するなど、なるべく不安や眠りづらさのない環境を整えることが大切です。

認知症を持つ人のご家族の場合も、無理に寝かせようとしないことや、体や寝具を温めてあげるなど、不安をできるだけ取り除いてあげるようにして睡眠を促しましょう。

睡眠を専門に取り扱っている病院で治療を受ける

何日も眠れない状態や、それによる体調不良が続いている場合は、専門機関に相談することをおすすめします。また上記に挙げた睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群などの特殊な病気の場合も、睡眠を専門に扱う病院でそれぞれに合った治療をおこないましょう。

「病院でもらう睡眠薬が効き過ぎてしまうのが心配」「以前睡眠薬で強い副作用が出てしまったことがある」など、薬に抵抗がある人は睡眠サプリを取り入れるのも一つの方法です。睡眠サプリはGABAやトリプトファンなど、眠りにつきやすくするための栄養素でできています。高齢者にも負担をかけずに睡眠をサポートしてくれます。

体や心の負担が大きくなる前に不眠対策を!

年齢を重ねると睡眠の質が低下しやすくなります。生活習慣やホルモンバランスが変化し、体のリズムも変化するために起こる現象です。深い眠りであるノンレム睡眠の時間が減ってしまうことも関係しています。また高齢者の場合は、体の痛みや、精神的なストレスによる睡眠障害が起こりやすくなるのも特徴です。体や心のケアをするとともに、適度に運動をする、朝日を浴びるなどの質のいい睡眠を促す対策をとりましょう。

高齢者特有の早朝覚醒や眠りの浅さの他に気になる症状がある場合は、睡眠を専門に扱う病院に一度相談してみましょう。他の病気が不眠を引き起こしている可能性もありますし、不眠が新たな病気を引き起こす可能性もあります。体や心の負担が大きくなる前に、早めに対策を取り入れることが大切です。