ただの寝言やねぼけと思っているその行動、実は睡眠随伴症かも!

眠れない原因と不眠対策(眠りの知識)

睡眠時随伴症という言葉は聞き慣れていないかもしれませんが、睡眠障害のひとつです。睡眠中に突然動き回ったり、大声をあげたり、泣き出したりなど、いくつかの症状があり、この症状を総称したのが睡眠時随伴症です。10歳ぐらいまでの子供と中年期以降の大人に多くみられる症状で、それぞれに特異的な行動が見られます。この年代の人であれば誰でも起こりうる症状ですので、あまり心配し過ぎないようにしてください。

睡眠時随伴症は2つ!子供と大人では種類が違う?

睡眠時随伴症は大きく分けて2種類あります。ノンレム睡眠中に起こる症状と、レム睡眠中に起こる症状の2つです。この違いは症状が現れる年代と症状の違いにもなります。ノンレム睡眠中に症状が出るのは子供に多く、レム睡眠中に症状が出るのは大人に多くなっています。さらに大人の場合は、男性に症状が出るのが圧倒的に、多く女性がこの病気になるのは稀です。この2つには具体的にどのような症状があるのか見ていきましょう。

ノンレム関連睡眠随伴症

・睡眠時遊行症

夢遊病と言った方が馴染みがあるかもしれませんね。脳が眠っているのに体が動いている状態で、うつろな表情で歩きまわります。ノンレム睡眠の時は夢を見ない睡眠状態のため、夢に影響されて行動を起こしてわけではありませんので、日常の行動範囲になっています。特に何もしなくても自ら布団に戻り、本人はこの時の行動を全く覚えていません。

・睡眠時驚愕症

夜驚症とも言い、突然奇声を発したり、叫んだり、泣いたり、何かに驚いたようにパニックになる症状を言います。眠ってから3時間以内に症状が現れることが多く、夜泣きとの違いは頭を撫でたり抱っこしたりしても改善されないところです。この症状は長くても数分しか続かず、症状が治まった後はまた眠りに戻ります。

レム関連睡眠随伴症

こちらは脳が起きていて、夢を見ているレム睡眠の時に起こる症状です。レム睡眠の時の筋肉は眠っていて動かないのが正常ですが、見ている夢に影響されて体を動かしてしまうのが、このタイプの睡眠随伴症の特徴です。症状には次のようなものがあります。

  • 突然体を動かしながら叫ぶ
  • 明け方に症状が出ることが多い
  • 夢に影響されているため、現実では考えられないような異常行動をする
  • 行動の最中に目が覚めると、夢を見ていたと理解しまた眠りにつく
  • 夢の内容をとてもリアルに覚えている

大人に多いこの症状の原因は、中枢神経系と関連がある、興奮した状態で眠りにつくためなど、様々な説がありますが、明確なものはわかっていません。

大人に多いレム関連睡眠随伴症は薬物療法で症状改善できる?

子供の睡眠随伴症は成長に伴い脳が発達していくうちに改善されていきますが、大人の睡眠随伴症は自然に改善されることはありません。そのため大人の場合は適切な治療が必要になりますが、本人に自覚がないこともあり検査に行くことを拒否することも多々あります。また、症状は認知症やねぼけと思われることも多く、適切な検査がなされずに治療も遅れてしまう傾向にあります。また、患者のほとんどが男性というのも、受診に繋がらない原因にもなっています。

大人の睡眠随伴症の治療には抗てんかん薬が効果的

レム関連睡眠随伴症には薬物治療がとても効果的で、抗てんかん薬や抗不安薬などを処方されることが一般的です。この種類の薬を飲むことに抵抗を持つ人もいますが、服薬をした患者の8割くらいは1~2週間で、症状出現の回数が減ったり、症状が出ても早く収まるなどの回復が見られます。この期間で症状が緩和されなかったからといって、勝手に薬を止めてしまわないようにしてくださいね。服薬を続けていくうちに、少しずつ症状は軽減していきます。

何らかのストレスを抱えている場合は、薬物治療とともにそのストレスを軽減するようにしていきましょう。医師と相談をしながら本人も家族も焦らず、ゆったりとした気持ちで治療を続けるのが改善への近道です。

睡眠ポリグラフ検査で確定診断!早めの受診がおすすめ

薬で症状が軽減するとわかっても、診断にどのような検査が必要なのか不安になってしまうかもしれませんね。上記でもお伝えしましたが、認知症やねぼけと症状が似ています。確定診断のためには、入院をして睡眠ポリグラフ検査を受ける必要があります。

この検査は頭や顔、体に電極をつけ、睡眠中の脳波や呼吸状態、心電図などを測定します。その姿を想像すると、怖く感じるかもしれませんが、患者は普通に寝ているだけでいいので、痛みや苦痛を伴うことはありません。一泊二日の検査入院で費用は15,000円前後になります。病名が確定しなければ適切な治療を受けることもできませんので、早めに受診をして診断をしてもらいましょう。

睡眠随伴症が現れた時の対処方法と注意点とは

診断を受け治療がスタートしても、すぐに症状が改善されるとは限りません。症状が出るときの夢は悪夢のような強い恐怖や不安を感じるものが多く、その夢に影響されて体を動かしますので、普段では考えられないような力が出ます。そのため本人や家族が、怪我をしたりすることも考えられます。病院に行く前だとしても睡眠随伴症を疑うような症状があれば、安全への配慮をしましょう。

ベッド周りや寝室には物を置いたりだしっぱなしにしない、特にハサミやナイフなど先の尖ったものや刃物は、必ず片付けておくようにしましょう。家族に危害が及ばないように、寝室を別にする必要も場合にはあります。本人のことが心配だと思いますが、まずはそれぞれの安全を確保することが大切です。

まとめ

睡眠随伴症は子供や中年期以降の大人であれば、誰でも発症する可能性があります。広い範囲で言うといびきや歯ぎしり、こむら返りなども睡眠随伴症に含まれます。いびき歯ぎしりは特別なことではありませんよね?むしろ思い当たる人も多いのではないでしょうか。

決して他人事ではなく特別な病気でもないのです。大人の場合は治療が必要になりますが、適切な検査を受け、適切な薬を服用することで症状は軽減されます。少しでも睡眠随伴症のような症状がある場合や、寝ている時の様子に不安があるときは、早めに専門の医師に相談し検査を受けてください。1日の4分の1は睡眠時間です。大切な睡眠時間を安全で安心したものにしていきましょう。