生活習慣だけではない“寝たのに眠い”は病気のサインかも

眠れない原因と不眠対策(眠りの知識)

十分寝たのに、まだ寝足りないという経験はありませんか?

そんな日が続くと、思っているより睡眠時間が少ないのかな?と生活を振り返る人も多いかもしれませんね。寝る時間を多くして、寝不足が改善されるのであればそれで良いのですが、それでもまだ眠い場合は、睡眠時間の問題以外の原因があるかもしれませんよ。

ここでは、寝たのに眠い状況になる原因を2つの側面から考えていきたいと思います。あなたはどちらに当てはまるでしょうか。

寝ているのにスッキリ感がない人に共通の生活習慣

自分では十分な睡眠時間を確保して、寝ていると思っていても実は思い込みの可能性があります。

これをすると良く眠れるという間違った思い込みを持っている人も多く、何気ない行動やついついしてしまう習慣に、睡眠を邪魔しているものがあるかもしれませんよ。

寝ても寝ても眠いという人は共通の行動がありますので、3つのポイントで整理しておきたいと思います。ひとつでも当てはまる時は、実は熟睡していない可能性がありますよ。

寝る前のアルコールは睡眠を浅くし熟睡感が得られない

1日の終わりの楽しみがビールという人もいますよね。仕事で疲れた心と体を癒してくれるアルコールですが、この癒しが睡眠の妨げになっている可能性があります。適量を飲むと心身共にリラックスさせてくれますが、もともとアルコールには興奮作用がありますので、寝る前に飲むのは逆効果になってしまうのです。アルコールを飲んで寝ると、途中で目を覚ましてしまったり、眠りが浅い状態が朝まで続くこともあります。

アルコールの適量の目安です。

  • ビール 500ml
  • 缶チューハイ 520ml(5缶)
  • ワイン 180ml(4分の1本)
  • 日本酒 180ml(1合)

アルコールは習慣になると、どんどん量が増えてしまいますので気をつけてくださいね。

休日のダラダラは疲れが取れず夜の眠りも妨げる

1週間仕事をがんばってやっと今日は休み!さあ、どのように過ごしていますか?

せっかくの休みですから、疲れを取りたい、ゆっくりしたい、溜まっているDVDを見たいと、お昼頃に起きて1日中部屋にこもっている人もいるかもしれませんね。ですが、この行動は睡眠を妨げます。

人間の体は24時間サイクルに合わせて、起きたり寝たりするように作られています。お昼まで寝たり、1日中家にいて太陽を浴びないと体内サイクルが狂ってしまいますよ。さらに1日中動かずに過ごしていると、疲れが取れているように感じるかもしれませんが、筋肉の疲労物質は分解されず疲れは蓄積されてしまうのです。疲れを取るためにも、休みの日は少し体を動かすようにしましょう。

寝る環境が整っていないと疲れていても眠りにくい

環境が熟睡できない原因の場合もあります。寝るための環境が整っていないと、寝ているつもりでも疲れが取れず、寝足りない状態になってしまいます。眠りに良い環境とは、心身共にリラックスできる環境です。寝る直前までテレビを見ている、布団に入ってもスマホを見ている、入浴はシャワーだけで済ませてしまう、夕食の時間が遅いなどは寝つきを悪くさせてしまいますよ。

食事が終わってゆっくりする時間になったら、照明を蛍光灯から間接照明に変える、湯船にゆっくり浸かる、テレビやスマホは寝る30分前にはやめるようにしましょう。どんなに疲れて帰ってきても、寝る環境になっていなければ熟睡することはできませんよ。

生活習慣に原因がない時は病気の可能性もある?

上記で挙げたような眠りを阻害する生活習慣に心辺りがないのに、寝たのに眠い状態にある場合は、ひょっとしたら病気の可能性があります。過眠症という睡眠障害があるのですが、この病気の場合はどんなに疲れていても、どんなに環境を整えても、どんなに生活習慣を変えても効果はありません。過眠症はどのような症状で、どのような治療が必要なのか、原因はどのようなことなのかなど、詳しく見ていきましょう。

当てはまるものは?3つの主な過眠症の種類と症状

過眠症にはいくつか種類がありますが、ここでは主な3つについてご紹介します。すべてに共通しているのは、夜ぐっすり寝ても眠気が改善されず昼間に強烈な眠気に襲われる、発症年齢が10代の2つです。

  • ナルコプレシー

1日の中で眠気と居眠りを繰り返します。笑った後や起こった後には、突然座り込んでしまうほどの脱力感が特徴的です。居眠り時間は30分程度、その後は一時的にスッキリします。

  • 突発性過眠症

こちらも1日の中で症状が繰り返されます。居眠りは1時間程度で、起きた後もスッキリ感はありません。

  • 反復性過眠症

このタイプは日単位で眠気とスッキリ感が繰り返されます。数日間強い眠気が続き、その後元気な状態が数日続き、また眠い日が続くという繰り返しです。

女性に多い過眠症ナルコプレシーの特徴とは

過眠症は全体的に男性よりも女性に多い病気です。その中でも、発症数が多いナルコプレシーに焦点を当ててみようと思います。

  • 発症年齢

10代~20代で特に思春期に発症するケースがほとんどです。

  • 症状

①状況や環境に関係なく起こる強烈な眠気。食事中や会話中にも寝てしまう。

②笑う、怒る、泣く、驚くなどの強い感情の後に、全身の脱力感がある。

③入眠時に金縛りにあったり、幻覚症状を起こすことがある。

  • 診断

ポリグラフ検査などで睡眠時の状態をチェックする、採血によりヒト白血球抗原検査をすることで診断がつきます。

  • 治療

規則正しい生活と薬物療法が行われます。

薬は睡眠薬や抗うつ薬の他に、中枢神経刺激薬が処方されます。

大丈夫!過眠症は専門家の治療で改善する病気

過眠症の患者数はそれほど多くないといわれてしますが、病気だと気づいていない人も多いのではないかと推測されています。過眠症は内科や精神科でも診てくれますが、できれば専門の睡眠外来を受診することがお勧めです。根気良く治療を続けることで、症状は改善されますよ。特にナルコプレシーの薬は新薬も出てきていますので、治療も研究もどんどん進んでいます。

また今日も眠ってしまうのではないか、倒れるのではないかと、不安を抱えながら仕事をしているのは辛いですよね。不安な気持ちで寝ようとしても寝付けなくなり、仕事に行くこと自体が苦痛になってしまいます。診断には入院して検査を受ける必要もありますが、適切な治療を受けるためにも、検査を受けてみましょう。

スッキリ目覚め元気に1日を過ごす改善策とは?

次に朝の目覚めをスッキリさせて、昼間も元気に過ごすために必要なことを考えていきましょう。寝たのに眠いには必ず原因があります。それを改善することで、昼間の眠気を感じずに過ごすとができますよ。

まず最初にするのは生活習慣の見直しからです。私は大丈夫!問題なし!と思っていても、意外な落とし穴が潜んでいる可能性もありますよ。明日から元気に過ごすために、眠気を残さないための改善策を立てていきましょう。

生活習慣を見直し心身共に熟睡できる環境を整える

ぐっすり眠るには、環境と習慣が大切です。改めて、自分の睡眠環境をチェックしてみましょう。

  • 寝る時間の2時間以内に食事が終わっている
  • アルコールは適量に抑えている
  • 入浴で体を十分温めている
  • 寝室の温度は夏は26℃、冬は23℃くらいになっている
  • 肌触りの良い寝具を使っている
  • 寝る直前までテレビやスマホを見ていない
  • 照明や音楽、香りなどで心身共にリラックスできている
  • 朝起きたら太陽の光を浴びている

いかがでしょうか。すべてできている人は多くないと思いますが、寝るために良い環境と習慣を整えるためには、ひとつでも多く条件をクリアできるように工夫しましょう。そして、すでに行っていることはそのまま継続してくださいね。

病気かな?心配があれば早期受診で早期改善を!

上記の習慣と環境がほとんど整っているにも関わらず、寝たのに眠いと感じたり、昼間眠気が強い場合は、専門医の診断を受けましょう。寝不足と病気の見分けは自分では難しかもしれませんし、眠気で病院は大げさでは?と思い躊躇する人もいますが、早期受診することで辛い状況から早く解放されます。目安があると病院に行くタイミングがわかるかもしれませんね。

  • 習慣や環境に気をつけても眠気が改善されない
  • 昼間自分ではどうにもならない眠気があり、居眠りをしてしまうことがある
  • 異常な眠気が1カ月以上続く

特に2つ目3つ目に当てはまる場合は、早めに受診をしましょう。病気ではなかったら、それは安心につながりますので、迷っているなら診察を受けてくださいね。

まとめ

寝たのに眠いという経験は、誰にでもあることです。原因には、夜ふかしや疲れ過ぎ、ストレスなどが思い当たるのではないでしょうか。ちょっとした改善で原因を解決することができ、ぐっすり眠れて朝の目覚めに違いが現れます。ですが、どんなに改善をしても眠気が取れない、仕事中に集中力が欠けたり居眠りをしてしまう場合は、睡眠障害の可能性があることも心に留めておいてくださいね。

生活習慣が原因でも病気が原因でも、眠さがあると仕事だけではなく日常生活にも支障が出てきます。その状況がストレスになり、さらに眠れないという悪循環になりかねません。いろいろな原因を考えながら、最良の改善策を見つけていくようにしましょう。